自伝。価値観
仕事が楽しい、ほんらい、そんなはずはない。
仕事はしんどいもので、辛いもの。
きっと誰もが、休みがまちどうしいはず。
何かをやりとげたとき、初めて「楽しい」そう思える。
僕らの仕事で言うなら、お客さんから
「美味しかった!」
そう言われた時、楽しく感じる。
正直、このお店は楽だった。
楽だから、楽しいと思った。
給料だってよかった。
二十歳ソコソコで、基本給三十万円。
給料日、明細を見てビックリした。
面接の時、「給料なんぼほしい?」
と聞かれ、
「仕事を見てから決めてください。」
と、いったものの、
正直、貰いすぎやろう!と、思った。
前のお店で頂いていた給料の、倍以上の金額だ。
まだ、この頃、バブル絶頂期。
それにしても多すぎる。
料理を作る楽しみ、
それは、料理人それぞれの価値観がある。
僕は、カウンターのなかで、お客さんと会話をしながら
お客さんが今、何を望んでいるか、それを考えながら
料理を作りたい、そう思うようになっていた。
ここのお店は、僕の思想には程遠い。
広い調理場で、顔の見えないお客さん相手に
時には50人~100人前の料理をこなす。
指示して動いてもらうのは、パートさん達。
初めてこのお店に来たとき感じた、
「長くは勤まらないだろうな」
その気持ちは、すぐに働いた。
でも、紹介していただいたMさんの顔もあるし、
常識的に、すぐに辞めようとは思わなかった。
そんなとき、そのMさんが独立してお店を出す事に。
僕は、料理長の命令で、Mさんのお店にオープンの日から助に行くことになった。
続く…
« 自伝。山奥の料理屋さん。 | トップページ | 休みのお知らせ。 »
「ひとりごと」カテゴリの記事
- 悪戦苦闘…(2016.03.10)
- まかない(2016.03.03)
- 「出し」のきいた料理屋さん。(2016.02.28)
- お昼休み。(2014.12.17)
- 相棒との別れ。(2014.11.22)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント