「出し」について。
毎朝、お店に来て一番にする仕事は「出し」を取ることです。
「出し」は、すべての料理の基本となり、非常に重要なものです。
和食店では、基本的に「かつをと昆布」
「かつを出し」です。
これがけっこう難しくて、毎日おんなじ分量でも同じ出しはとれません。
季節や、いろんな要素で変わってきます。
単純な作業に思えますが、こればっかしは経験です。
もちろん、水、かつを、昆布それぞれに皆さんこだわりはあると思います。
でも、良い素材を使ったからといって、良い出しがとれるとは限らないのです。
まずは昆布出しをとり、最後にかつををうつのですが、
火加減、タイミング、あく取りなどその場で対応しながらの作業になります。
昔の話ですが、ある料理屋で、煮方(調理場で、煮炊きを担当する人。
たいていの場合料理長の次に偉い人)が、毎朝「出し」をとります。
それを、料理長が見て、気に入らなかったら全部捨てられていたそうです。
その煮方の人は、朝が来るのが怖くなり、ノイローゼぎみになったそうです。
今は、そんな厳しいお店も少ないでしょうが、でも気をつかう難しい仕事です。
今日も朝一「出し」をとりました。
けっこう良い「出し」です。
そうなると、気よく仕事が始められます。
そんな一日の始まりです
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